静岡県のAさんからのご質問と私の回答 (その2 )
前回、在日ベトナム人への宣教の観点からベトナムの制度や我が家のケースを書いて
ベトナム人は“何を求めているのか”という事と“国民性”を書きました。
キーワードとしては、家族愛、社会正義、そして、経済発展と快活さ、でした。
次は“文化”ですが、長期間の中国からの影響や近代におけるフランスからの影響があり
それらが言語や食事や宗教にも影響があるのですが、正直、ベトナム戦争後の現在、
全く重要ではありません。全くの昔話です。
私が重要に思う、彼ら彼女たちの文化的な側面というのは、一言で言うと、
“お祭り好きである”という事です。
サッカーが大好きで、特に隣国のタイとの戦いでは彼らはとても熱くなります。
試合中はマンションのいたるところから歓声が上がり、地鳴りがし、
試合が終ると、2人乗りでバイクで大通りに繰り出して、後ろの人は国旗を振り回し、
大暴走です。そして、市中のいたるところで大渋滞です。。
サッカーばかりではありません。職場では頻繫に誕生日パーティが行われます。
結婚式は、普通の家で平均すると300人~400人くらいが集まります。500人が集まっても驚きません。
なぜなら出席者は、親族・友人である必要がないからです。
お葬式も、3日3晩連続です。
日本でも昔は職場でも運動会やソフトボール大会のようなものがありました。
ベトナムでは社員旅行です。ほぼ全員が参加します。
お祭りが好きなのですから、日本でも“お祭り=>行事=>皆で同じ楽しい事をするイベント”を
行えば良いのではないかと思っています。
毎週は苦しくても、3ヶ月に1度くらいであれば、彼ら彼女らは来ると思います。
東南アジアの国やワールドカップの試合であれば、彼ら彼女らはどこかに集合していると思います。
発想の転換で、教会で、近隣の在日ベトナム人を集めて、ベトナムとタイのサッカーの試合を見るのは、
ダメなんでしょうか?:)
ベトナム人の“生活”の側面で重要なのは、“スマホ” です。
どのような田舎から日本にやって来た人であっても、スマホを持っています。確実です。
メイドさんも、ビルの守衛さんも、建築作業員の方々も、みんなスマホです。
(ベトナムでガラケーのみの人は、もういません。)
いつかインターネットTVが普通の時代になれば、ベトナム語の生活情報番組もできると思います。
ベトナム人が見ているニュースのサイトは VN Express です。もちろん本文はベトナム語ですが
皆様も英語版で読む事ができます。;https://e.vnexpress.net/
ちなみに、ベトナムにいる日本人の多くが見ているニュースサイトは、ベトジョー、NNA、
そして、ベトナム生活倶楽部です;
http://www2m.biglobe.ne.jp/~saigon/
ベトナム人の多くはFacebookが大好きで、また、Tiki, Razada, Shopee などで買い物をします。
例えば、Tiki のサイトはこれです;https://tiki.vn/
また、タクシーも、Uber のような ライドシェアのGrabタクシーやGo Vietがあります。
こちらの記事の通りです。https://www.lehman-miler.com/2019/04/grab-vn.html
少額のお昼ご飯さえも、これらを使い、お届けしてもらえるのです。
田舎の方はまだまだですが、これらの事業者が田舎の方にも進出するのは確実です。
生活で重要なのは、“住居”もです。
ホーチミン市に2005年に私がやって来た時には電力が少なく暗い街でした。停電も頻繫にありました。
しかし、2019年には、高島屋、イオン、ファミリーマートもあります。
14年間で在越日本人もおおよそ4倍になりました。
GDPも4倍近くなり、個人所得もおおよそ4倍になったと思います。
それでも、感覚的に、日本の3分の1の物価の感覚です。(お昼ご飯は200円くらい。)
ベトナムの最低限の所得の人たちで月収3万円くらい、日本の最低賃金では9万円くらいかと思います。
私の会社では、課長(マネージャー)職で月収10万円くらいです。
大卒で順調に行けば30才くらいで到達できます。このくらいになると生活に困る事はありません。
1年間の定期預金の預金金利はだいたい8%です。(30年前の日本のバブルの時でさえ6%でしたが。)
新築マンションの価格は、ホーチミン市の中心部にバイクで20分くらいの場所で、
3LDKで1500万円から2000万円くらい。2LDKで1000万円から1500万円くらいです。
個人的にはかなりバブルだと思っていますが、
基本形は夫婦共働きですので、2LDKは普通に手に届く範囲にあります。
また、旅行した方はご存知と思いますが、古いバイクも走っていますが、
トヨタ車とともにベンツやBMWやアウディが普通に走っています。
景気が良いこともあり、それらの資産はほとんど減価しないか、逆に値上がりする事もあります。
日本で働いている人たちにはスマホがありますので情報はいっぱい持っています。
最低賃金で日本で働くという事がどういう事なのかは、彼ら彼女らはよくわかっているはずです。
従って、彼ら彼女らがどう思いながら日本にいるのか、どうして日本にいるのかは、
もしかしたら金銭だけではない、各個人それぞれの事情や合理性があるのだと私は思います。
底流には、親日の感情があります。私たちは、本当にありがたい事と思わなければなりません。